3年ぶりに開催されたシアトル熱中第3期オープンハウスの授業は、冨沢守さん真理さんによる「福島からシアトルへ」でした。
冨沢さんは、現在ワシントン州のウッディンビルで株式会社冨沢酒造を経営しておられます。
冨沢酒造店は、幕末から福島で代々日本酒「白冨士」をつくり続けた歴史ある酒造でしたが、東日本大震災による原発事故で酒蔵を失ってしまいました。
森口富雄さんとの出会い、そして「シアトルで酒造りをしてみないか。」「日系人は全てを失っても頑張れる。」という言葉をきっかけに、仙台に似ているシアトルに一家で移住されたとのこと。
「祖先の思いをすればできる。」という思いで決断したという真理さんの言葉には、お仕事に対する誇りと強さがありました。
日本酒は、縄文弥生時代に作られたこと、奈良時代に中国から米麹が伝わってきたこと、平安時代に一般の人が飲めるようになったこと、鎌倉時代に禁酒令が発令されたこと、室町から江戸時代に地酒ブランドが誕生したこと等の日本酒の歴史について。
デリケートな酵母菌について。
お酒にアルコールを添加することでできる大吟醸について。
酒税や納税、なわばりと監督について。
日本酒にまつわる様々なお話は、いずれも興味深いものでした。
海を越えたアメリカでのお酒造りはご苦労が多いことと思いますが、お二人の明るさと逞しさからシアトルでの酒づくりの成功を確信しました。
シアトル熱中事務局はもちろん、オープンハウスに参加された皆様、そして日本の熱中小学校の皆様も冨沢酒造を応援して下さることと思います。
ISBELL FARMSで生産されている酒米の山田錦で、ワイントン州で許可されている大吟醸が広くアメリカの人々に愛されることを願ってやみません。
真理さんの
「文化のリスペクト。」
「お互いを知ろうとすることが大事。」
という言葉、心に染みました。
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冨沢酒造店 / Shirafuji Sake Brewing Company
冨沢守 & 真理 Mamoru Tomizawa & Mari Tomizawa
福島県双葉町で300年以上にわたり酒を造り続けてきた冨沢酒造店。21代目当主で兄の冨沢守氏と真理氏は2011年の原発事故を機にシアトルの北東約20マイル(約32km)にあるウディンビルに移転。2022年に Shirafuji Sake Brewing Company として伝統の地酒 『白冨士』 の初仕込みを始める。
【Facebook】Shirafuji Sake Brewery Company
【Instagram】@shirafujisake
シアトルの日本語情報サイトJungle Cityに掲載の記事 (2022年7月)
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