1時間目、猪俣さんの授業のテーマは「日本最後のマタギが、自然との共生を考える」でした。
猪俣さんは、奥会津で「マタギ」として活躍されています。
空気や川のせせらぎや鳥のさえずりそして草の匂い等々、五感で感じるもの全てを栄養として「命」と向き合ってこられた本物のマタギからのメッセージには、ずっしりとした重みがありました。
くまをとってなりわいとしているマタギの説明のすぐ後に、
「熊はすごい能力を持っている。」といい切られ、熊の生態を詳しく述べながら、熊を敬愛しているお話ぶりにまず惹きつけられました。
「熊と対峙する時は、自分の命を見、自分の命を感じる。」
「自分の強さや弱さ、限界を感じることができる。」
「人間は皆、強さを持っているのに、あきらめて強さを出さずに生きている人が多い。」猪俣様にしか語れない本物の言葉は心に沁みました。
ミツバチの巣別れの事例から、ミツバチは探索バチのリードで互いに情報交換をしながら、民主主義をもって新しい巣を決定するというお話も興味深いものでした。
「自然は、熊とミツバチが保っている。そして、マタギが熊を打って熊を生かしている。」
「狼が絶滅し自然の生態系が変わった。マタギは狼のかわりをしている。」
「ほったらかすと自然がダメになるからちゃんととってやりたいと思う。」
「命をとることで、自分の命も周りの命も、自然に生かされていることを知らされる。」
いずれも、マタギというお仕事への誇りを感じる名言です。
「7歳の目で自然を見てほしい。」
お話をしめくくるこの言葉は、人間が自然に生かされていることを知った会場の皆様にしっかりと届いたことと思います。
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